短歌・川柳

砂を食み 瓦礫の下に 眠る子が
あまたゐるらし 冷たき海に

【名前】
大和田幹雄(おおわだみきお)
【病名】
多発性硬化症

激震の 家に入れず 車中にて
方舟のごと 揺られていたり

原発の 難民となり 南下する
友人隣人 置き去りにして

揺れのなき 他県に逃れ 息つくも
我が心身の 余震はやまず

子ら下げし 線量計を 戯れに
かければ重き くびきのごとしも

【名前】
松浦よし子(まつうらよしこ)
【年齢】
71歳
【病名】
多発性硬化症、全盲
【被災場所】
福島市

あの顔も

この顔も消え

部落消え

【名前】
大久保幹雄 (おおくぼみきお)
【病名】
多発性硬化症

秋の色

瓦礫の山を

遠巻きて

【名前】
大久保幹雄 (おおくぼみきお)
【病名】
多発性硬化症

逃げ惑う

民らを襲う

黒い波

【名前】
駒場幸子 (こまばさちこ)
【年齢】
64歳
【病名】
進行性筋ジストロフィー
患者家族
【被災場所】
岩手県花巻市

千年の

歴史を記す

大津波

【名前】
駒場恒雄 (こまばつねお)
【年齢】
65歳
【病名】
進行性筋ジストロフィー
【被災場所】
岩手県花巻市

着ぶくれて

一人佇む

がれきの地

【名前】
小保内多喜子 (おぼないたきこ)
【年齢】
70歳

朔風に

髪みだれしも

訪ねけり

【名前】
小保内多喜子 (おぼないたきこ)
【年齢】
70歳

訪ねれば

一人暮らしの

厚着かな

【名前】
小保内多喜子 (おぼないたきこ)
【年齢】
70歳

震災後

改め気づく

皆への愛

【名前】
下村浩子 (しもむらひろこ)
【年齢】
34歳
【被災場所】
会社

 

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